歌：　緒方恵美（真田幸村）


　　　記憶に残らない翼をたたんで
　　　薄花桜の躯を潜め　雲をまねけ！

　　　千の曲がりには水面が秘色に光っていた
　　　龍華会を待つ気の遠くなる日々
　　　かさねていくことも厭わないなら

　　　雷鳥の声に目覚め　香を薫き染めた帷子まとう
　　　
　　　浅はなだに染めた木綿の糸編み
　　　柄に巻き付け　踏み出すその先には
　　　あがきなど振り捨てた大太刀を手に
　　　己を導く魂の　構えをとれるか
　　　妖しい明日塗り込め

　　　色無き風には龍田姫の姿も見えない
　　　木守りもなくしたその後に
　　　残されたもずの贄が　未来仄めかす

　　　迷いは既に千里の外　言葉にならない証の前に

　　　浅はなだに染めた木綿の糸編み
　　　柄に巻き付け　踏み出すその先には
　　　あがきなど振り捨てた大太刀を手に
　　　己を導く魂の　構えをとれるか
　　　妖しい明日塗り込め

　　　迷いは既に千里の外　言葉にならない証の前に

　　　流れは常になく秘色に静まる
　　　光を弾いてその躯を晒す
　　　艶めく鱗には月も眼を逸らす
　　　薄花桜に雲さえ色をかえ

　　　流れは常になく秘色に静まる
　　　光を弾いてその躯を晒す
　　　艶めく鱗には月も眼を逸らす
　　　薄花桜に雲さえ色をかえ

　　　従え！
　　　この眩暈のむこうへと